ジャニー・ギター

高校時代、わたしはに親にねだってレコードプレーヤーを買ってもらいました。当時はステレオが出始めたころで、友だちの家で聴いたステレオがうらやましくてしかたがありませんでした。それで、ときどき母にねだっていたのです。ただし、家が貧しいのはわかっていたので、強く訴えていたわけではありませんでした。母は何もやってやれないがせめてプレーヤーだけは買ってやろうと思ったのでしょうか、あるとき買ってくれました。今思うとよく買ってくれたものです。

しかし、このプレーヤーでかけるためのレコードが必要です。レコード盤も大変高価な時代でした。そこで、ソノシートというぺらぺらのレコードを買ってきました。映画音楽の曲集だったと思います。本のように何枚かが収められ、解説もついていました。その中に入っていたのがこの『ジャニー・ギター』です。それこそ何回も聴いていたような気がします。

『ジャニー・ギター』は映画『大砂塵』のテーマ曲です。映画は昭和29年の製作らしく私が生まれて間もないころなのでリアルタイムではなかったのですが、当時は流行が次から次へ変わる時代ではなかったのでしょう。それこそ長い期間スタンダードのようになって流れていたようです。

映画そのものは私は見ていないのですが、たいへんもの悲しい雰囲気をもった曲です。始めの前奏がたまらなく不安をかき立てるような音です。音はわかるのですが、どうしてこんなに不安げなのかわかりません。楽器の音色なのでしょうか。知りたいものです。そして、ゆったりとしたメロディ。これもたまらなくいい。遠くを見つめるような雰囲気をもっています。

『大砂塵』という題名も、砂が舞う果てしない砂漠を行くような茫漠とした雰囲気をもっていて、人生のはかなさと悲しさを感じさせる曲になっています。この曲を聴くたびに空虚な感覚に襲われ、過ぎ去った日々を思い出して涙が出てきます。

『大砂塵』というのは日本での映画タイトルで、原題はそのものズバリの『ジャニー・ギター』です。ギターはもちろんギターです。はじめのころはジャニーというのは「旅」の「ジャーニー」と関係があるのかと思っていましたが、実はジャニーは人の名前で、主人公(?あまり存在感のない感じですが)ジョニーです。どうして、ジョニーがジャニーと訳されたかわかりませんが。

一番目立つのはジョン・クロフォードという目がぎらりとした鋼鉄のような女性です。拳銃を撃つ場面もある西部劇らしいのですが、いわゆる悪人をがんがんやっつけるという当時の西部劇の定型からははずれた異色の西部劇だったようで、むしろ恋愛物と思ったほうがいいでしょう。くわしく知りたい方は下記のページがすばらしいので見てください。

http://eigaface.cocolog-nifty.com/blog/2005/10/post_6ee8.html

映画の場面場面で使われたBGMもすてきですが、レコードとして売れたのはペギー・リーの歌う『ジャニー・ギター』です。ペギー・リーのややかすれた哀感のこもった歌がすばらしいうえに、イントロや伴奏で出てくるギターの音色にとてつもない哀愁を感じます。

http://www.youtube.com/watch?v=IeCWuN0dc5w

もうひとつはやや毛色のかわったところで、スウェーデンのエレキバンド・スプートニクスが奏でる『ジャニー・ギター』です。エレキギターの揺れるような音は、ムード歌謡のレキントギターににた響きがあります。そして、エレキの技法を駆使したようなメロディとリズムには本当に懐かしく思えます。

http://www.youtube.com/watch?v=q4VKk4raEmE

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック