さらばシベリア鉄道

大瀧詠一が急逝したというニュースが昨年末に飛び込んできました。死因は解離性動脈瘤とのことです。享年65才です。わたしよりもちょっと上だけのまだまだ若いと言える年齢です。惜しい人を亡くしました。ご冥福をお祈りします。

大瀧詠一は声の美しさと口ずさみやすいメロディが気に入っています。大瀧詠一は軽い歌い方なのに声に伸びがあってメロディを輝かせている感じです。

ニューミュージック系には声の美しいアーティストが何人かいて、特に大瀧詠一、山下達郎、小田和正、財津和夫の声が気に入っています。ただ、このうち大瀧詠一は、他の3人とはやや異なったカラーを持っているような気がしています。なぜか都会的なセンスを感じるのです。大瀧詠一と聞くとわたせせいぞうの『ハートカクテル』を思い浮かべるのです。何のつながりもないはずだと思いますが不思議ですね。

もう一つ感じるのは、大瀧詠一は「うまく歌おう」とか「このように工夫してうまく見せよう」という飾りがない気がするのです。いわば素のままのいい声で歌っている。玄人芸ではなく素人芸のようなのです。これが都会的なかっこよさにつながっているとわたしは勝手に思っています。

ところで、『さらばシベリア鉄道』です。大瀧詠一の曲でもっとも好きな曲がこれです。昭和55年(1980年)に太田裕美が歌ったそうですが、わたしは太田裕美の歌は記憶にありません。初めて聴いたのが大瀧詠一だったような気がしています。記憶違いでしょうか。そのだれが歌ったかしれない歌を、わたしはロシア民謡の『ポーリュシカ・ポーレ』と似たイメージを感じ取りました。急ぐようなリズムがそう感じさせたのかもしれません。一方、それとは別にさらにどこかで聴いたことがある曲だなあとも思っていました。

今回ウィキで『さらばシベリア鉄道』について調べてみたら、「ジョニー・レイトンのシングル曲「霧の中のジョニー」に刺激されて作った曲」と出ていました。なるほど。『霧の中のジョニー』をあらためて聴いてみました。聴いてみるとリズムパターンはほとんど一緒ですし、間奏も似ているフレーズがあります。「ああ、聴いたことがあると思ったのはこの曲だったんだ。」と納得です。

しかし、刺激されたとはいえ、サウンド的にもメロディ的にもいっそう洗練させたのがこの曲ということでしょう。ベンチャーズとスプートニクスを掛け合わせたようなギター・プレイは感傷的ですてきですし、歌詞(松本隆)としてもロシア民謡好きの日本人の郷愁を誘うような内容になっていて、この曲を聴いているだけで恋の切なさが心にしみてきます。

この曲ははじめは太田裕美が歌ったそうですが、太田裕美の明るいキャラと甘い声は切なさが伝わってこないような気がしています。ということで、やはりここは大瀧詠一のものを挙げておきます。

https://www.youtube.com/watch?v=rjXiSryrIXQ

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